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「IBM i マイグレーション」で生まれたゆるぎない信頼!
両社の強みを連携させた「技術の掛け算」で生み出す共創の
シナジー(後編)

目次


企業が抱えるさまざまなIT課題に技術力のパートナーシップを発揮

課題に合わせた独自のカスタマイズ提案で期待に応える

新たな取り組みと今後の展望



※本記事は前後編の二部構成となっております。前編記事はこちらからご覧ください→前編記事

企業が抱えるさまざまなIT課題に技術力のパートナーシップを発揮

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新型コロナウイルスの感染拡大や世界紛争がもたらした経済リスクなど、企業を取り巻く環境は不安定さを増している。そういった中、持続的な成長を続けるための取り組みとして重要度を高めているのが「デジタル変革」だ。DX推進にはさまざまな障壁があるが、運用保守人員の高齢化、そしてIT人材の不足によるレガシーシステムのブラックボックス化に悩む企業は多い。

ビジネス環境や市場の変化に合わせて、多様な立場のステークホルダーと連携し、新たな価値を生み出していく「共創」という概念が今、注目されている。レガシーシステムの脱却・刷新をはじめ、企業が直面するさまざまなIT課題にどう対応するか――。それに対して互いの強みを連携させた「技術力の掛け算」でパートナーシップを発揮するのが、ベル・データ株式会社と株式会社プライムだ。

前編では、二社の連携によるマイグレーションの取り組みについて触れてきた。後編は、戦略的基幹システムフレームワーク「B-Core SBS」の導入案件、そして共創シナジーの連携強化を視野に入れたビジョンについて紹介する。

課題に合わせた独自のカスタマイズ提案で期待に応える

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企業の垣根を超えたチームワークで、さまざまなプロジェクトに取り組み、ビジネス拡大の推進力となってきた両社のシナジー。取材を行った2023年10月時点では、基幹システムの再構築プロジェクトがまさに進行中だった。

-八幡
「基幹システムの再構築の依頼をされたのは、空気や各種ガスの高圧・超高圧コンプレッサ製品を扱う製造業のお客様でした。既存システムのブラックボックス化の解消、現場業務が抱える負荷の標準化・効率化を実現したいという内容で、経営目標を達成するために必要なシステム基盤の構築を求めていることが分かりました。

現場業務の負荷軽減、業務属人化の改善、工程の見える化といった製造業のお客様に多い課題の解決には、製番管理を行う企業が必要な機能を標準搭載した基幹システムフレームワーク『B-Core SBS』の導入が最適と考え、ご提案しました」

-山口
「お客様の稼働環境にB-Core SBSおよび各ソリューションを導入し、並行稼働するまで約2年にわたるプロジェクトです。プロジェクトを成功させるには、関係部門のコアメンバー、各上長など関係者との合意、要件定義のヒアリングなどスムーズなコミュニケーションとタスク管理が欠かせません。

プライム様には要件定義のフェーズから入っていただきましたが、想定外のタスクが次々と出てきてしまいました。全7部門に業務内容をヒアリングしたところ、かなり属人化していることが分かったんです。ヒアリング回数は当初の予定(20回)を大幅に上回り、48回も実施することになりました。

新業務のヒアリング回数も当初9回の予定が、最終的に62回でしたね!プライム様には、精度の高いヒアリングを行っていただいて本当に感謝しております」

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-中嶋様
「2022年4月からヒアリングをスタートして、すべて終わった9ヶ月後には合計134回の打ち合わせをしていましたよ。

膨大な数のヒアリングから見えてきたのが、5つの課題でした。なかでも製造業特有の課題と言えるのが、BOMと呼ばれる部品構成表でした。BOMは製品に必要な部品情報や構成などを把握するための基本情報ですが、多くの現場で部門ごとに管理されていることも少なくありません。

ヒアリングをした生産部、生産管理部、設計部でもBOM情報の一元管理や連携ができていませんでした。設計部が管理する製品マスタBOMの前に、原価検討を行う担当者が管理する見積もり専用のBOMを導入し、原価検討時の見積もりBOMから設計部のE-BOM、製造部のM-BOM、そしてアフターサービス部門が管理するS-BOMという新たなBOMまですべて連携させ、原価検討の精度とスピード感を向上させるシステムを提案しました。効率的な部品管理によって、アフターサービス部門のサービス品質向上、受注率アップに貢献する新業務フローが提案できたと思っています」

-山口
「ヒアリングしていくうちに次々と出てくる現場課題に対して、中嶋さんと『どう要件定義しましょうか』と何度も打ち合わせしましたね」

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-中嶋様
「そうですね。B-Core SBSは、部門間で一気通貫した情報を見える化できる標準機能があります。しかし、今回のBOM管理の課題は標準機能が使えるパッケージ提案ではカバーし切れないケースでした。

そこで、『オプション機能を含めたお客様独自のカスタマイズをしていきましょう』という形で、要件にマッチした改善策を具体的に落とし込んだ提案が、功を奏しましたね」

-山口
「お客様ごとに抱えた課題の粒感や実現したい環境に合わせて、オーダーメイドで応えていくという中嶋さんの提案は、新しいアイデアによってお客様のDX課題を解決する価値創造そのものでした。まさに『想像力』と『創造力』を発揮した瞬間でしたね」

新たな取り組みと今後の展望

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DX推進の取り組みにおいて、基幹業務システムの見直しこそ大切と説くベル・データ。IBM i は最新のオープンなテクノロジーと連携してビジネス成長を促し、事業変革をけん引する技術だが、ユーザー企業が新たな情報を取得できず多くの誤解や認識違いが起きている現状がある。

-八幡
「Windowsのように多様なメーカーやベンダーなどが日々情報を発信し続けているわけではなく、技術情報を持つ限られたベンダーが積極的に情報発信をしてこなかったことがIBM i に対する誤解や固定観念を生じさせた原因の1つだと思います。

まずは積極的な情報発信活動が大事で、これまでにソフト面で信頼をしてもらっているお客様へ向けた発信が第一と考えます。そういった点では、プライム様のお客様からの信頼度は非常に高く、『聞く耳』を持っていただけると感じています。弊社がこれまで培ってきたハード面の技術力を掛け合わせることでよりいっそうのシナジーが生まれると感じています」

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-中野様
「ありがとうございます。弊社はビジョンのなかで、『永続的にお客様から愛されるプロ集団を目指します』という言葉を掲げています。その実現には、やはり最新の技術の習得と現場でのアウトプットが重要です。最大の武器である『技術力』をいっそう強固なものにするため、お客様への情報発信がいかに重要なものかを八幡さんのお話から学ばせていただきました」

-三浦様
「お客様の期待に応えられるように技術面を向上し、そしてベル・データさんからの案件受け入れを強化するためにメンバー育成にも力を入れたいと思っています」

-山口
「今後はコアなパートナー様との共創によるシナジーをさらに発展させていきたいと考えています」

-八幡
「お客様への提供価値を最大化し満足度を向上させるには、良好な関係性を築けるコアパートナー様と信頼できる技術者の皆様との連携が不可欠だとあらためて気づきました。マイグレーションサービス、SI構築サービス、保守サービスといった案件で一度関わりを持ったお客様から追加の開発や改修の案件を増やすことが重要施策と考えます。なぜなら、すでにお客様のシステム環境や事業戦略やビジョンを理解しており関係性ができあがっているからです。

関係性が良好なお客様からの引き合いを増やし、プライム様と協業して対応することで、お客様、プライム様、そして弊社と3社が笑顔になれる『共創シナジー』の実現を目指したいのです。

今期からこれまで以上にコアなパートナー様との協業案件を増やしていきたいと考えています。数年後には弊社のアプリケーション部隊とコアパートナー様の技術者が案件情報や最新技術情報をこまめに共有しつつ、シームレスに案件をこなせる体制を構築したいと強く願っています。ぜひご協力をよろしくお願い致します」

前編記事はこちらからご覧ください→前編記事

中野昌之 様

株式会社プライム
営業部 広域営業担当 専任部長

三浦達也 様

株式会社プライム
開発統括部長

中嶋博基 様

株式会社プライム
SIイノベーション事業部 部長

澤田直宏

ベル・データ株式会社
営業本部 西日本営業統括部 関西支店
営業1課 課長

八幡剛

ベル・データ株式会社
アプリケーションビジネス本部
アプリケーションSI統括部 統括部長

山口愛里

ベル・データ株式会社
アプリケーションビジネス本部 アプリケーションSI統括部
アプリサポート推進部 部長

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