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「IBM i マイグレーション」で生まれたゆるぎない信頼!
両社の強みを連携させた「技術の掛け算」で生み出す共創の
シナジー(前編)
目次
レガシーシステムからの脱却と共創関係の重要性
マイグレーションビジネスを通じて双方の事業成長をドライブさせる
ワンチームの連携でマイグレーションを提供し、安心を届けたい
※本記事は前後編の二部構成となっております。後編記事はこちらからご覧ください→後編記事
レガシーシステムからの脱却と共創関係の重要性
経済産業省が2018年にまとめたDXレポートによれば、約8割の企業がレガシーシステム(古くなったコンピューターシステム)を抱えており、約7割の企業が「レガシーシステムがDX(デジタルトランスフォーメーション)の足かせになっていると感じる」と回答。実際に多くの企業でレガシーシステムの運用保守を担当する人員の高齢化が進み、IT人材の不足とそれに伴うシステムの老朽化・ブラックボックス化が課題となっている。
既存システムのブラックボックス化を解消するためシステム刷新に取り組み企業は増えているが、社内にDX推進の経験やノウハウがなく、プロジェクトをけん引する人材がいないことを理由に、外部のコンサルティング会社やベンダー企業に任せっぱなしというケースも少なくない。
2022年7月に経済産業省が公表した「DXレポート2.2」では、こうしたDX課題に触れ、企業が変革していくための重点ポイントを掲げている。なかでも注目なのは、お客様とベンダー側が1つのチームとなって新たな価値の創出を目指す「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」だ。レガシーシステムの刷新を図る企業と、マイグレーション(既存システムを次期システムに移行すること)をはじめとしたITサービスを提供するベンダー企業の共創が、よりいっそう必要なフェーズへと移行している。
マイグレーションビジネスを通じて双方の事業成長をドライブさせる
BELLグループのベル・データ株式会社(以下、ベル・データ)では、3000社を超えるお客様との取引を通じて培われた技術力やサポート力を基盤に、IBM Power System事業を最高の強みとしたI Tソリューションインテグレーターとして、「負の遺産(レガシー)」になりつつある汎用機やオフコンを抱える企業に対して、マイグレーション導入の支援を行っている。
マイグレーションとは、ゼロからのシステム構築ではなく現行資産を有効活用し、次期システムに移行することだ。実施にあたってお客様が業務で使用するシステムやアプリケーションの現状を把握することは必須であり、特にプロジェクトマネージャーには高いITスキルや知見が求められる。ベル・データのマイグレーションサービスは自社のみならず、それぞれのテクノロジーを熟知した経験豊富な多くのパートナーとの連携によって成り立っている。
現行システムからIBM i 移行を実現するマイグレーションや、豊富な言語対応とオーダーメイドのシステム構築などの各種ITソリューションサービスを提供するのが、岡山県に本社を構える株式会社プライム(以下、プライム様)だ。2011年11月の取引からベル・データとの付き合いがスタートし、マイグレーションのみならず、戦略的基幹システムフレームワーク「B-Core SBS」の導入案件などで協業。お互いの強みを連携させた「技術力のかけ算」で共創のシナジーを生み出している。
ワンチームの連携でお客様に価値を提供し、安心を届けたい
-中野様
「協業が始まったのは、IBM i のマイグレーション案件からでしたね。IBMのSystem36というレガシーシステムを使用しているお客様がIBM i(当時の名称はOS/400)にマイグレーションした後、ハードウエアの保守について依頼を受けました。当時、ハードウエア保守の実績が少なかった弊社は、IBM i (AS400)の保守サービス提供において業界実績トップクラスのベル・データ様にご相談したのがきっかけです」
-澤田
「プライム様はIBM i のマイグレーションサービスやSI(システムインテグレーション)構築サービスで数々の実績があり、精度の高いアプリケーション開発にも対応しています。昨今は、弊社でもアプリケーション開発の引き合いが増えており、開発をお任せできるパートナーが必要だと感じていました。
『マイグレーションによってシステム刷新をしたい』という、レガシーシステムのブラックボックス化を抱える企業からの問い合わせはここ数年で増えています。ただ、営業部門であれば、仕入れ・注文・販売・出荷・在庫といった入出荷情報の管理データ、人事部門であれば人事情報・勤怠管理・給与計算・法定調書の電子レポートといったデータなどシステムが担うサービスは多様です。お客様が求める要件を満たす最適なシステムを選択し、アプリケーションの移行を実現するには個々の環境を熟知した信頼できるパートナー企業が不可欠と言えるでしょう」
-三浦様
「弊社は、お客様の期待に応えるプロフェッショナル集団として最新技術の習得に余念がありません。DX推進に取り組む企業が多い背景も見据えて『IBM i を主体としたマイグレーションとSI事業の2軸を強化したい』と考えていたので、ベル・データさんから『一緒に取り組んでいこう』というお申し出があったことは、とてもありがたいなと感じました」
-八幡
「プライム様との連携・協業は、互いの技術・知見・ノウハウ・ネットワークを共有し、一緒にお客様の課題を解決することで新しい価値の創出につながります。
インフラ構築スキルとサポート力を持つ弊社が基盤システムやインフラ構築を提供し、プライム様にはアプリケーション開発を提供していただくというように、互いの強みを活かした役割分担で揺るぎない信頼関係を構築してきました。この盤石な体制でマイグレーションサービスを提供し、お客様に安心を届けたいと思っています」
-山口
「現在、弊社には200社近いパートナー企業様がいますが、『マイグレーションの案件があれば、まずプライム様に相談を』となるぐらいとても信頼しています。お客様の課題解決を支援するチームとして、とても良好な関係だなと感じています」
-八幡
「システム開発における成功の秘訣は、プロジェクト管理に不可欠なWBSの精度と言ってもよいでしょう。WBSはプロジェクト全体の作業を分解して構造化するフレームワークですが、WBSの精度を高めるには、プロジェクトに必要な全タスクを洗い出す必要があります。要件定義、基本設計、詳細設計、開発・テスト・移行、導入・フォローといったように成果物完成までのフェーズを組み立てて、目指すべきゴールを明確にします。
プライム様には、マイグレーション実績の豊富さに裏付けられたWBSの精度と実行力の高さを感じました」
-三浦様
「八幡さんからお声をかけていただいたのは、SI推進部の前身部署、マイグレーションセンターでの取り組みでしたね。繊維素材の製造販売を行う企業のマイグレーションプロジェクトで、コロナ禍のさなかにプロジェクトが始動し、要件定義フェーズからコミュニケーションはほぼオンラインのみ。当初は不安だったのを覚えています」
-八幡
「2021年9月末に現行のサーバ『Fujitsu Server PRIMERGY』の延長保守が終了予定で、何とかしたいというご相談でした」
-三浦様
「お客様の既存システムは、IBM z というメインフレームから富士通製オフコン『FUJITSU Software ASP』へ一度マイグレーションされたシステムでした。そのため、過去のマイグレーションにおいて、SPA(スクラッチパッド)によるDC制御、DB制御におけるSQL(デ―タベース言語)利用など、IBM z の仕様を引き継いだ状態でシステムが構築されていたんです。
IBM z の仕様を一部踏襲したFUJITSU Software ASPの特徴を把握し、IBM i へマイグレーションしたときに機能を再現できるか、できない場合の代替はどうするかといった移行時の難題がありました」
-八幡
「それに加えて、IBM z からマイグレーションされた際の『独特のクセ』を把握したうえで移行しなければならず、複雑で難易度の高い作業要件でしたね。さらに最終段階の統合テストフェーズで予期せぬ不具合が発生しましたが、社内調整して一斉調査に対応いただきました。大変感謝しております」
-三浦様
「マイグレーションでは一般的に想定されるケースをテストしますが、どうしてもイレギュラーな事象やレアな事例により単体テストではカバーできず障害が発生することもあります。
今回、移行元であるFUJITSU Software ASPと移行先のIBM i におけるシステム的な仕様の違いで、『テーブル配列の上限を超えたテーブル操作』『START REVERSEDによる逆順読み時のポインターズレ』『START INVALID有無による挙動の違い』などさまざまな問題が発生しました。
いずれも通常運用では見つけることが困難で、テストを進めても問題を検知することができずに本番を迎えるリスクがあったため、同じ事象が発生する可能性があるプログラムはないか、全プログラムを一斉に調査して問題があると判断したものは事前にすべて対応しました」
-山口
「お客様にも一斉調査の追加予算を検討いただき、きちんと対価をお支払いできた点はよかったです。三浦様のご協力のおかげで不具合が解消でき、お客様も安心していました。プライム様の技術力の高さはもちろん、『マイグレーションを絶対成功させる』という強い信念やここぞというときの集中力は、まさにプロフェッショナルだなと感じましたね」
-三浦様
「澤田さんが先ほどおっしゃっていたように、マイグレーションにおいて重要なのは、既存システムの仕様や特徴を理解し、それらを移行先のシステムでどのように実現できるかに尽きます。その『再現性の高い状態』を実現するには、プロジェクトマネージャーが常に最新の技術を習得し、両システムに関する知識や技術を持ち合わせることが重要なのではないでしょうか。
私たちはレガシーシステムをIBM iへマイグレーションしてきた実績を多く持っていますが、それでも企業ごとに異なる基幹システムを100%理解しているわけではなく、プロジェクトのたびに何かしらの障壁にぶつかってきました。それらの障壁を乗り越えるには、お客様の協力が不可欠と言えるでしょう。お客様と二人三脚で障壁を乗り越えられるよう、信頼関係を築き上げて行くことがプロジェクト成功への第一歩だと思います」
後編記事はこちらからご覧ください→後編記事
中野昌之 様
株式会社プライム
営業部 広域営業担当 専任部長
三浦達也 様
株式会社プライム
開発統括部長
中嶋博基 様
株式会社プライム
SIイノベーション事業部 部長
澤田直宏
ベル・データ株式会社
営業本部 西日本営業統括部 関西支店
営業1課 課長
八幡剛
ベル・データ株式会社
アプリケーションビジネス本部
アプリケーションSI統括部 統括部長
山口愛里
ベル・データ株式会社
アプリケーションビジネス本部 アプリケーションSI統括部
アプリサポート推進部 部長